ベトナム人社員と共に成長するために:知っておきたい価値観と働き方のポイント
2026/08/07
投稿者:スタッフ
こんにちは。ベトナムの日系企業で働く現地スタッフの視点から、今日は一緒に仕事をする上で大切な、ベトナム人の価値観や仕事に対する考え方についてお話ししたいと思います。日本とベトナムは文化が似ていると言われることもありますが、実際に働いてみると「あれ?」と感じる違いも少なくありません。今回はそんな違いを理解し、より良い職場環境を築くためのヒントをお届けします。
なぜベトナム人は日本での就職を目指すのか
まず、多くのベトナム人がなぜ日本で働くことを選ぶのか、その背景を簡単にご紹介します。
最大の理由は、ベトナムと日本の賃金格差です。2023年のベトナムの平均月収は約3万円ほどと言われていますが、日本の平均と比べるとその差は歴然です。また、ベトナムの若年層(15~24歳)の失業率は7%台に上り、大学を卒業しても就職先が見つからない若者が多くいます。
こうした経済的な事情に加え、ベトナムは親日国として知られています。日本製品やアニメ・漫画が身近にあり、日本のテクノロジーや生活環境への憧れから、日本での就労を希望する人が後を絶ちません。
ベトナム人の仕事観・考え方の特徴
では、実際にベトナム人はどのような価値観を持って働いているのでしょうか。いくつかのポイントに分けて解説します。
①何よりも「家族」を大切にする価値観
ベトナム人にとって、家族は人生の最優先事項です。ここでいう家族とは、自分の両親や兄弟だけでなく、祖父母や親族も含めた広い範囲を指します。
実際に、ベトナムの人は祖父母の命日には仕事を休んで地方の実家に帰省することは珍しくありません。「仕事を失っても次の仕事は見つけられるが、家族は代わりがきかない」という言葉があるほど、この価値観は強く根付いています。
日本で働く場合でも、この価値観が変わることはあまりありません。家族が病気になった場合、会社の許可が得られなければ、やむを得ず仕事を辞めて帰国するという選択肢も考える人が多いです。採用側としては、この「家族第一」の価値観を理解し、帰国休暇などの制度を整えることが長期的な関係構築につながります。
②「空気を読む」にはトレーニングが必要
日本で働くベトナム人にとって、「本音と建て前」や「暗黙の了解」は大きな壁となります。日本語が堪能でも、言葉の裏側や日本の「察する文化」を完全に理解するのは非常に難しいことです。
特に、曖昧な指示はトラブルの元です。「なるべく早く」ではなく「今日の15時までに」、「適当にやっておいて」ではなく、具体的な手順を写真などで示すなど、明確で視覚的な指示を心がけることが重要です。相手が「わかった」と言ったからといって安心せず、実際に自分の言葉で説明してもらうなど、認識の確認を行うとより確実です。
③フレキシビリティと成果主義の傾向
ベトナムの職場文化は、日本のように会議が多く決定に時間がかかるスタイルとは異なり、よりフレキシブルであることを好む傾向があります。特にITやクリエイティブ系の職種では、この柔軟性が重視されます。
また、ベトナム人は成果主義の考え方が強いと言われています。自分のスキルアップや収入に直結する仕事に対しては非常に意欲的ですが、一方で「チーム全体」として動くための協調性には、やや課題を感じることもあります。会社としては、個人の成果を評価する制度を明確にしつつ、チームで働くことの意義やメリットを丁寧に伝えていくことが求められます。
ベトナム人を雇用する際のポイントと注意点
最後に、採用・雇用を成功させるための実践的なポイントをまとめます。
家族を大切にする気持ちを尊重する
これは何度も強調されるポイントですが、ベトナム人の「家族」への思いを尊重することが、会社への信頼感に直結します。年に一度の帰国休暇に配慮するのはもちろん、もし可能であれば、内定者のベトナムのご家族と面談する機会を設けている企業もあるそうです。これは会社側が家族構成を理解するだけでなく、ご両親に「安心して子どもを預けられる」と思っていただくためでもあります。
アットホームな関係性を築く
ベトナム人は職場の同僚を「家族のように」大切に付き合うことを好みます。定期的な交流会や懇親会を開くなど、単なる仕事上の関係を超えたアットホームな交流の場を設けることで、親睦が深まり、結果として職場への定着率向上にもつながるでしょう。
まとめ
日本には「郷に入っては郷に従え」という言葉があります。多くのベトナム人は、日本で働くために日本語やマナーを学び、日本の文化に溶け込もうと努力しています。
しかし、相互理解なくして真の共生はありません。ベトナム人の価値観や仕事文化を理解し、時には日本の職場環境や制度を柔軟に見直すことも、一緒に働く私たち日本人側の役割ではないでしょうか。お互いの価値観を尊重し合い、共に成長できる職場を目指したいものですね。